安全性向上の技術は、次の三つのカテゴリに層別して議論することができる。
(1)衝突安全技術
万一衝突事故を起こしたとき、運転者・同乗者の被害を最小限に押さえる為の技術である。
(2)予防安全技術
衝突事故を未然に防ぐ技術である。
(3)プリクラッシュ・セーフティ技術
もはや衝突を避けられない事態になったとき、運転者・搭乗者の安全確保と、歩行者など衝突される側の被害を最小限にするための技術である。
【1】衝突安全技術
1989年のエアーバッグ実用化が、衝突安全技術の本格的な始まりであった。
運転席から搭載が始まったエアーバッグは、助手席側、次いで後部座席、そしてフロントピラーとルーフサイドにバッグを格納した「カーテンシールドエアーバッグ」へと展開されてきた。現在は乗員の頭部のほとんどの部分がエアーバッグによって保護されるようになった。
車体の構造では、前面と後方からの衝突の場合の衝撃を吸収するために、エンジンルームやトランクルームの強度を他の部分に比べて相対的に弱くしてつぶれやすくしている。 前面衝突時に乗員の体の拘束を高めるためには、衝突直前にシートベルトを巻き上げるプリテンション機構が実用化されている。そして、強い衝撃を感知した場合に、ドアロックを解除し、衝突後のキャビンからの乗員の脱出を容易にする衝突感知ドアロック解除システムも実用化している。